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Azure Virtual Desktop: ハイブリッド ワークプレースに適した柔軟なクラウド VDI プラットフォーム

製品紹介

Kam VedBrat パートナー グループ プログラム マネージャー

Windows Virtual Desktop をリリースした 2 年ほど前には、世界的なコロナ禍によって何百万人もの労働者がオフィスを離れ在宅勤務を余儀なくされるとは、誰一人として予想していませんでした。世界中の組織が、ビジネスの回復力と俊敏性を得るために重要なアプリケーションやデータをクラウドへと移行しました。そしてその多くが、新たなリモート ワーカーをサポートするために、クラウドから Windows 10 によってセキュアで管理しやすく生産性の高いパーソナル コンピューティング エクスペリエンスを提供する、Windows Virtual Desktop に目を向けるようになります。最前線で働く英国の国民保健サービス (NHS) の医療従事者から、Petrofac のエンジニア、教育者や学生まで、自分たちの活動を転換して新たな課題への対応を図る皆様をサポートすべく行動を共にすることは、身の引き締まる経験でした。ぜひ、Azure Virtual Desktop の体験談として、英国の一流大学の事例をご確認ください

いずれ組織は、進化を遂げる一連のリモート ワークやハイブリッド ワークのシナリオをサポートする必要があるでしょう。そうした新たなハイブリッド ワークの需要に対応するお客様やパートナー様を支援するため、マイクロソフトはビジョンを拡大し、事実上どこからでもアクセス可能な、ほぼすべてのユース ケースをカバーする柔軟なクラウド VDI プラットフォームの実現を目指しています。現代の VDI プラットフォームには、優れたセキュリティ、スケーラビリティ、管理のしやすさと共に、シームレスでパフォーマンスの高いエクスペリエンスをユーザーに提供することが求められています。さらに、そのコア テクノロジによって、組織がソリューションのカスタマイズや構築を柔軟に行えるようにする必要もあります。

このようなより広いビジョンとお客様の変化するニーズをサポートするため、マイクロソフトはこのたび、新機能や、アプリケーション ストリーミングの新たな料金体系に加え、Windows Virtual Desktop サービスから「Azure Virtual Desktop」への名称変更を発表しました。

セキュリティと管理に役立つ新しいプラットフォーム機能

マイクロソフトでは、Azure Virtual Desktop のコア プラットフォームへの新機能の拡充に継続的に取り組んでいます。そしてこのたび、Azure Virtual Desktop の展開に向けたオンボーディングや管理の向上に役立つ、新機能のパブリック プレビューについて発表できたことを嬉しく思います。

  • Azure Active Directory のサポートの強化 (パブリック プレビュー版を近日提供予定): Azure Active Directory は、重要なアプリケーションやデータへのユーザー アクセスを管理して、強固なセキュリティ制御を保つために世界中の組織で利用されているクリティカルなサービスです。近日中には、組織が Azure Virtual Desktop 仮想マシンを直接 Azure Active Directory (AAD) に加えて、あらゆるデバイスから基本的な資格情報でそれらの仮想マシンに接続できるようにするための機能を発表する予定です。また、Microsoft Endpoint Manager にそれらの仮想マシンを自動登録することも可能になります。特定のシナリオでは、この機能によってドメイン コントローラーが不要になり、コストを削減して、展開を合理化することができます。これは大きなマイルストーンですが、Azure Active Directory との完全な統合に向けた取り組みの始まりにすぎません。今後もクラウド ユーザー向けに、シングル サインオンや、FIDO2 などの新たな種類の資格情報、Azure Files のサポートなどの新機能を順次追加してまいります。

ホスト プールの作成フォームのスクリーンショット

 

  • Microsoft Endpoint Manager による Windows 10 Enterprise マルチセッション仮想マシンの管理 (プレビュー版を近日提供予定):Microsoft Endpoint Manager を利用すると、ポリシーを管理して、デバイス間でアプリケーションを分散させることができます。そのうえ、Windows 10 Enterprise マルチセッション Azure Virtual Desktop 仮想マシンを Microsoft Endpoint Manager に登録して、Microsoft Endpoint Manager 管理センターでそれらの仮想マシンを共有された物理デバイスと同じように管理できるようになる予定です。これにより、管理が簡素化され、物理デバイスと仮想デスクトップ間で一元化されたビューが得られます。詳細については、Windows 10 Enterprise マルチセッションに関するドキュメントをご覧ください。

 

  • 新しいクイックスタート エクスペリエンスをわずか数分で展開 (プレビュー版を近日提供予定):Azure portal で Azure Virtual Desktop 向けに合理化されたオンボーディング エクスペリエンスを提供することになりました。この新しいエクスペリエンスでは、要件の検証や自動展開の開始のほか、ベスト プラクティスの導入も行われます。数回クリックするだけで、Azure サブスクリプション内で完全な Azure Virtual Desktop 環境をセットアップできます。この新しいエクスペリエンスは、Azure portal の Azure Virtual Desktop ブレードの [クイックスタート] で提供される予定です。

クイックスタート アプリケーション フォームの作成のスクリーンショット

 

リモート アプリケーション ストリーミングの新たな料金体系

多くの組織が Azure Virtual Desktop を利用して、既存のライセンスの権利でカバーされている従業員へのアプリケーションのストリーミングを行っています。しかし、Azure Virtual Desktop を利用して、顧客やビジネス パートナーにも “as-a-service” でアプリケーションを提供したいという要望も数多く寄せられています。

そこでこのたび、組織が Azure Virtual Desktop を利用して、クラウドから外部 (従業員以外) のユーザーにアプリケーションを提供できるよう、ユーザー アクセス単位の月額料金オプションを発表します。たとえばこのオプションによって、ソフトウェア ベンダーは、顧客がアクセスできる SaaS ソリューションとして自社のアプリケーションを提供できるようになります。Azure Virtual Desktop のユーザー単位の月額料金に加えて、組織には Azure インフラストラクチャ サービスの使用量に応じた請求が行われます。

以下に、この新しい料金オプションに対する ISV のコメントの一例をご紹介します。

「Sage は、財務や業務、従業員の管理に役立つ革新的なビジネス ソリューションを提供することにおいて、世界中の何百万というお客様から信頼を得ています。Azure Virtual Desktop によってアプリケーションをストリーミングすることで、Azure クラウド上の当社のソリューションへのユーザー アクセスを合理化しやすくなり、優れたオンライン カスタマー エクスペリエンスを実現できます。」Sage、製品管理担当ディレクター、James Westlake 氏

ぜひプロモーション期間中にお試しください

新しいユーザー アクセス単位の料金オプションは、2022 年 1 月 1 日をもって有効になる予定です。組織に今すぐお試しいただけるよう、無料で Azure Virtual Desktop にアクセスして、ファーストパーティやサードパーティ アプリケーションを外部ユーザーにストリーミングできる、特別なプロモーションを提供します。このプロモーションは、2021 年 7 月 14 日~ 2021 年 12 月 31 日まで有効です。

2022 年 1 月 1 日に有効になる月額ユーザー アクセス権の料金体系は、以下のとおりです。
• ユーザー 1 人あたり月額 5.50 ドル (アプリ)
• ユーザー 1 人あたり月額 10 ドル (アプリ + デスクトップ)

このプロモーションが適用されるのは、外部ユーザーのアクセス権のみです。基本の Azure インフラストラクチャの料金は、引き続きお支払いいただきます。社内の従業員に対するアプリケーションのストリーミングについては、これまでどおり既存の Windows ライセンスの権利 (Microsoft 365 E3 または Windows E3 以降など) をご利用いただく必要があります。詳細については、当社の Web ページを参照してください。

パートナー エコシステムの拡大

クラウド VDI プラットフォームとして、当チームはパートナー様と緊密に連携して、パートナー様がユーザーのニーズに対応するソリューションを構築できるよう支援しています。たとえば、Citrix や VMware は、Azure Virtual Desktop プラットフォームの機能を利用する仮想化ソリューションをデスクトップとアプリケーション向けに提供して、ユーザーが既存の投資を最大限に活用し、既に使い慣れたツールやソリューションを利用できるようにしています。また当社が誇る数百社のパートナー様から成るエコシステムでは、ユーザーが自信を持って展開できるよう、カスタム ソリューションを構築し、技術に関するコンサルティング サービスを提供しています。パートナー ソリューションの詳細については、Azure Marketplace を、また認定展開パートナー様については、Advanced Specialization に関するページをご覧ください。

さあ始めましょう

当チームは、皆様にクラウド上でマイクロソフトの柔軟な VDI プラットフォームを存分に利用して、新たなエンド ユーザー コンピューティングの可能性を開いていただけるよう、パートナーとしてお役に立てることを楽しみにしています。皆様の継続的なサポートに感謝すると共に、ご意見をお待ちしております。ぜひ当社の Tech Community に参加して、当チームをはじめ、他のお客様やパートナー様とつながり、ご意見やご提案をお寄せください。今回の発表の詳細については、近日公開されるウェビナーにサインアップしてご確認ください。

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